「文学部」という学部の名前を見て、皆さんは何を想像するでしょうか?
文章を書くことや読むことを好きな人が文学の歴史などを学ぶところ、と考える人も多いと思います。しかし、必ずしも「文学部」=「文学の研究」ではありません。
今回の記事は、わかりそうでわからない文学部で学べる内容について書いていきます。
《文学部が研究する対象》
結論から言うと、文学部とは”文学”だけではなく、文化全般を取り扱う学部です。歴史・哲学・倫理・民族学・心理学・社会学まで、 扱うジャンルがとにかく広いのが文学部の特徴です。
たとえば早稲田大学文学部のHPでは、学部の教育理念について以下のように書いています。
・人間・世界を深く探り、言語・文学・表現の本質を解明し人間・社会を歴史的に究明する。
早稲田大学文学部教育理念
・豊かな学問的蓄積を受け止めて、新しい時代のなかで発展させるとともに、伝統的な学問体系をより洗練して確固たる学問として確立する。
このように、文学部では実用性ばかりでなく、伝統的な学問分野を深く学び“教養”を身に着けることで、時代の波に翻弄されることのない確かな視点から人間の本質を理解できる人材を育成することも目標としています。
《文学部で学べること》
(1) 文学・言語系
日本や海外の文学を通して、文化や歴史や思想や社会について学び、「人間の営みとは何か」を読み解き研究していきます。海外文学を学ぶ場合はその国の言語の理解も必要になるので語学の授業も多いです。読み解く力に加え、語学力も身に着けられます
(2) 心理・思想系
心理学や哲学、宗教学などを学びます。人がなぜそう思うのか、なぜ生きるのか、なぜ存在するのかなど、「人間とは何か」を存分に探求できる学科です。また、宗教学では世界中の宗教から、思想や社会、歴史を学びます。宗教には、例えばルネサンスの宗教画など美術が関連することも多く、芸術の視点から宗教の発展や歴史を読み解く分野もあります。
(3) 歴史・地理学系
国の歴史やその歴史から学べることと地形や気候、地域の文化や特性などを学びます。歴史・地理学系は現地に赴いての調査などフィールドワークも多いことも特徴のひとつです。資料の読み方や分析のしかたを学び、研究対象をみつけ探求するので、高校生までの歴史や地理の授業よりもさらに主体的に学ぶことが可能です。
文学部では、論理的な思考力や語学力、コミュニケーションのスキルなど、幅広い力を身につけることができます。例えば、資料や論文を読んで新しい視点をみつけたり分析したりすることで、読解力が身に付きます。また、文学は他の学問と比較して明確な答えがない分野であるため、歴史や文学を読み解いて得られた発見が、多様な解釈の可能性を生むこともあります。それにより、思考力が鍛えられます。従って、文学は自分の研究を論文にまとめて伝える論理的な説明力や表現力が求められる学問とも言えます。

